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企業へアイデアの売込みを考えている方へ Q&A
 

質問

Q1.画期的なアイデアなんですが企業の反応が無くて。

Q2.どんなアイデアが売れるのでしょうか。

Q3.どのようにして企業の製品を調べたら良いのでしょうか。

Q4.企業が基本特許を持っていた場合、改良発明を売り込んでも効果があるのでしょうか。

Q5.売り込む場合は、特許になっていないと不利ですか。

Q6.万一、将来特許にならなかったら貰った実施料は返さないといけないのでしょうか。

Q7.特許出願する代わりに著作権登録ではいけませんか。

 

回答

Q1.画期的なアイデアなんですが企業の反応が無くて。

A1.企業の知財部門にいた経験から申しますと、画期的なアイデアほど売れません。

それには次の理由があります。

(1)企業の事業計画に沿わないアイデアは検討されない。
事業化には、アイデアや技術の他に市場性、資金調達、資源配分など重要な検討項目があり、その検討に多大な労力を要します。一方、企業は通常、中長期事業計画にそってその期の活動計画が策定され実行されます。画期的といわれるアイデアの多くはその企業の事業計画から外れており、検討すらされないのが実態です。

(2)アイデアを断っても誰の責任にもならない。
もともと、どの部門もその事業をやっていないし、売り込まれたアイデアの事業化を検討するというミッションを持った組織も存在しないので、断ったとして、将来他社がそのアイデアの事業化に成功したとしても、誰の責任にもなりません。むしろ、アイデアを買って事業化に失敗した方が責任を問われます。

したがって、独創的なアイデアであればあるほど、ろくに検討もされずに「興味なし」の回答が返ってくるのです。この傾向は大企業になるほど強いと思います。
中小、ベンチャーを主体に売り込むという考え方もありますが、事業規模から実施料等の収入は大企業に比べ低くなりますし、事業が拡大するまで時間もかかります。

 ポイント: 企業の事業計画に無いアイデアは売れない

 

Q2.どんなアイデアが売れるのでしょうか。

A2.不況の時代、企業にアイデアを売ることは不可能かというと決してそんなことはありません。

要は自分の頭の中で考えた(自分本位の)アイデアではなく、企業が欲しがるようなアイデアを提案すればよいのです。それには、その 企業が扱っている製品を調査し、それに少し改良を施した程度のアイデアが効果的です(といっても特許になるだけの工夫は必要ですが)。同種の製品を扱っている他の企業が存在すればよりいっそう効果があります。

以下はその理由です。

(1)関連部門が明確であるため、売り込みを受けた窓口は直ちにその部門に検討を依頼できる。

(2)既にそのアイデアに関連する製品が存在するため、売り込まれたアイデアに対して検討しないことが逆にリスクになる。特に自社が断って、同業他社が実施して成功したとなると、断った 者の責任は過大となる。

(3)そのアイデアを実施するか否かの判断責任はその製品を扱っている部門長であり責任の主体が明確。

(4)ちょっとした改良は、通常の事業活動の中で対応できる。特別な組織編成の必要がない。

したがって、その企業が既に実施している製品に関する改良発明は必ず検討してくれます。

 ポイント: 売り込むなら改良発明が効果的

 

Q3.どのようにして企業の製品を調べたら良いのでしょうか。

A3.企業の販売する製品を購入して調査していたら費用がかかり、現実的ではありません。

その企業の特許出願状況を調べましょう。特許庁のHPの特許電子図書館(IPDL)で調査できます。

その特許明細書は技術文献の性格も備えていますので、関連する明細書を数件読むとその企業の技術がある程度分かります。

また、特許出願しているということは、事業を真剣に考えている証拠です。たとえ現在実施していなくても、特許調査で何件も抽出される場合は、企業の事業計画に沿ったもので将来実施の可能性が高いものです。

同業他社の特許も調べるとその業界の技術動向が分かり効果は高くなります。

 ポイント: 特許調査で売込み先の技術を知ろう

 

Q4.企業が基本特許を持っていた場合、改良発明を売り込んでも効果があるのでしょうか。

A4.基本特許が存在していても、それをベースにして改良を加えたアイデアも特許に成り得ます。

そして、たとえ企業が基本特許を持っていても、改良特許を実施したい場合はその特許権者の許諾が必要になります。

特許権の効力は個人の実施には及びません。このため、個人発明家から売り込みがあった場合、企業は自社所有の特許でクロスライセンスに持ち込むという手段が使えません。

つまり、企業は個人から売り込みのあった発明を使いたい場合はお金を払って使わせてもらうか、その発明が特許になった場合それを無効にするしかありません。 特許が無効になるかどうかはやってみなければ分からず、企業にとってはリスクは負えないので交渉が成立する可能性が高くなります。

 ポイント: 企業にとっては個人が脅威

 

Q5.売り込む場合は、特許になっていないと不利ですか。

A5.未審査のままで売り込みをかけるか、特許になってから売り込みをかけるかということですが、画期的なアイデア(企業の事業計画に無いアイデア)を未審査の状態で企業に売り込みに行くと、九分九厘、「特許になってからご相談承ります。」と丁重に断られることになるかと思います。それを真に受けて特許権取得後に再度売り込みに行くと、「興味なし」の回答が来ます。

しかしながら、改良発明ですとそうはなりません。改良発明の場合は、上記(A2)のごとく検討しないことがリスクであり、そのリスクを低コストで回避することが重要になってくるからです。

実は、企業にとっては、まだ権利範囲が固まっていない未審査の状態の方がいやなのです。その明細書に書かれている技術のどの部分が権利になるかをつぶさに検討しなければならないからです。特許請求の範囲のみでなく明細書全体が検討範囲になるのです。その労力は多大なものがあり、またどんなに検討したとしてもリスクは残ります。
そうとしたら、もし安く許諾してもらえるのなら許諾してもらおうという発想になります。

もちろん、既に権利化された特許であっても良いのですが、特許にするまでに時間とコストがかかる、権利範囲が企業の構想と多少なりともずれていると許諾してもらえないというリスクがある、ということを総合的に勘案すると、改良発明については未審査の状態で売り込みに行く方が経済的かと思います。この場合その企業と一緒になって企業の費用で審査請求をして権利化を図るという道もあります。

 ポイント: 出願したら直ちに売込み

 

Q6.万一、将来特許にならなかったら貰った実施料は返さないといけないのでしょうか。

A6.それは契約しだいです。通常は返却しないという内容で契約書に明記します。

契約についての詳細はご相談ください。

 ポイント: 契約は重要。すべての苦労がこれで決まる
 


Q7.特許出願する代わりに著作権登録ではいけませんか。

A7.まれに、特許出願は費用がかかるので、著作権登録をしておき、売込み成功後に特許出願をした方が良いという声も聞かれますが、これはきわめて危険です。

著作権では、アイデアは保護されませんので、著作権登録をしたからといって安心していると売り込みに行った企業に別の表現形式で特許出願されてしまう可能性があります。

また、著作権では、別個独立に創作した者には権利は及びませんので、その企業の従業員が自分で創作した場合にはその企業の権利になります。

特に改良アイデアとなると複数の人間が同じようなことを同じような時期に考えます。したがって、まず特許出願をして先願権を確保しておく必要があります。

なお、デザイン家電など売り込む対象によっては、著作権登録が有効な場合があります。詳細はご相談ください。

 ポイント: 著作権でアイデアは保護されない
 

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